PR

プログラミングの副業|案件の種類と発注相場・手数料

副業
この記事は約28分で読めます。

プログラミングのスキルを副業に使うとき、最初に分かりにくいのは「この作業にいくら払われるのか」です。報酬は案件ごとに依頼する側が提示する金額で決まるため、稼げる額を先に決めることはできません。本記事では、クラウドワークスが公表している発注相場をもとに案件の種類ごとの金額の目安を並べ、クラウドワークスとランサーズの手数料の仕組み、そして2024年11月1日に施行されたフリーランス法で発注側に義務づけられた取引条件の明示と支払期日を、公式資料を引用しながら整理します。特定の収入が得られることを保証する内容ではありません。

プログラミングの副業とは?報酬の決まり方

プログラミングの副業では、報酬が「作業1件あたりいくら」(固定報酬制)か「1時間あたりいくら」(時間単価制)のどちらかで示されます。クラウドワークスは、よく発注される仕事カテゴリごとの発注相場を公開しており、たとえば「システム管理・更新・保守」は発注例「不動産業務システムのバグフィックス」で1時間あたり3,000円〜、「Webプログラミング」は発注例「既存システムの機能追加(AWS、PHPの経験)」で500,000円〜と示されています(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。ここに並んでいるのは発注する側が支払う契約金額の下限表示であり、受注者の手取り額ではありません。契約金額からはシステム利用料が差し引かれます(後述)。

金額の幅が大きいのは、同じ「開発」という言葉でも担当する範囲が案件ごとに違うためです。要件定義から設計・実装・テスト・納品まで通して引き受ける案件と、すでにある画面の文言を差し替える案件では、必要な時間も責任の範囲も異なります。募集を見るときは、金額そのものより先に「どこからどこまでを担当するのか」を確認してください。

シフト君
シフト君
プログラミング副業ってどのくらい稼げるんですか。本業の3倍とかは可能ですか。
ナビ先生
ナビ先生
報酬は案件ごとに依頼する側が提示するので、「本業の何倍」という形では決められないんです。まずは、どんな種類の案件があるのか、公表されている金額の目安はいくらか、そこから手数料がどれだけ引かれるのか。この3つを順番に見ていきましょう。
POINT
見るべきなのは契約金額そのものではなく、かかった時間で割った金額です。ここでは説明のために仮の数字を置いて計算します。①クラウドワークスの発注相場の下限にあたる1時間3,000円(税抜として計算)の時間単価制の案件を、②月20時間受けたとすると、③契約金額は60,000円(税抜。消費税を含めて66,000円)、④システム利用料は14,520円(税込)、⑤受け取りは51,480円、⑥1時間あたりは2,574円になります。同じ51,480円を受け取るのに40時間かかったなら、1時間あたりは1,287円まで下がります。なお、クラウドワークスの発注相場ページには税の表示についての記載がないため、ここでは3,000円を税抜の契約金額と置いて計算しています。調べ物や修正のやり取りにかかる時間も、この「かかった時間」に含めて考えてください。

案件の種類と、公表されている発注相場

ここでは案件を5つの種類に分けて、作業の中身と、クラウドワークスが公表している発注相場の該当項目を並べます。以下に挙げる金額はすべて、発注する側が支払う契約金額の下限表示(「〜」付き)であり、受注者の手取り額ではありません。また、同じ種類の案件でも、担当する範囲と納期によって金額は変わります。

受託開発案件(Webアプリ・システム構築)

受託開発案件は、依頼された要件にもとづいてシステムやWebアプリを組み立てる案件です。設計・実装・テスト・納品のうちどこまでを担当するかは案件ごとに決まっており、募集要項に記載されています。

クラウドワークスの発注相場では、「サイト構築・ウェブ構築」が発注例「既存サイトへの単機能追加(PCのみ、スクラッチサイト)」で100,000円〜・納期目安20日前後、「Webプログラミング」が発注例「既存システムの機能追加(AWS、PHPの経験)」で500,000円〜・納期目安15日前後と示されています。「WordPress制作」は発注例「WordPressを使ったHPの作成(デザイン+コーディング)」で100,000円〜・納期目安14日前後です(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。いずれも発注する側が支払う契約金額の下限表示です。

同ページの発注事例には、Laravel・Vue.js・PHP(CodeIgniter)・Java Spring Boot といったフレームワークや言語の名前が募集タイトルに含まれています。どの技術の募集が出ているかは時期によって変わるため、応募先を決める前に各サービスの募集一覧で確認してください。

コーディング作業(HTML・CSS・JavaScript案件)

コーディング作業は、すでにデザインが決まっている状態で画面の実装だけを担当する案件です。担当する範囲がページ単位で示されている募集では、作業量を見積もりやすくなります。

クラウドワークスの発注相場では、「HTML・CSSコーディング」が発注例「サイトコーディング(レスポンシブ無し)」で1ページあたり30,000円〜・納期目安7日前後、「Webサイト修正・更新・機能追加」が発注例「ホームページ内の文章変更・画像差し替え(2~3時間程度)」で30,000円〜・納期目安5日程度と示されています(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。発注する側が支払う契約金額の下限表示です。

ページ数や、スマートフォン表示への対応(レスポンシブ)を含むかどうかで作業量が変わります。募集要項にレスポンシブ対応の有無が書かれていない場合は、応募前に確認してください。

メンテナンス・保守案件

メンテナンス・保守案件は、すでに動いているサイトやアプリについて、不具合の修正・コードの改善・小さな機能追加などを担当します。対象のコードを読むところから始まるため、既存の作りを把握する時間が必要です。

クラウドワークスの発注相場では、「システム管理・更新・保守」が発注例「不動産業務システムのバグフィックス」で1時間あたり3,000円〜と示されています(納期目安の記載はありません)。同ページの発注事例には「自社サイトのシステム保守」(時間単価制3,000円〜4,000円)、「リモートでシステム保守・修正をしていただける方を募集します(Laravel, Zend)」(時間単価制2,000円〜3,000円)が掲載されています(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。いずれも発注する側が支払う契約金額です。

この種類は時間単価制で募集されている例が公表ページに複数あります。時間単価制はシステム利用料の計算方法が固定報酬制と異なるので、後述の「手数料の仕組み」もあわせて確認してください。

メンタリング・コンサル案件

メンタリング・コンサル案件は、学習中の人に対して技術的な質問への回答やコードのレビューを行うものです。手を動かして作るのではなく、相手の書いたコードを読んで説明することが中心になります。

クラウドワークスの発注相場一覧には、「システム開発・運用」「ホームページ制作・WEBデザイン」のいずれのカテゴリにも、プログラミングの指導・メンタリングにあたる依頼業務の項目は設けられていません(同ページで確認した範囲・2026年7月29日確認)。同ページの「相談アドバイス・暮らし・社会」カテゴリには「相談・講師・アドバイス」という項目がありますが、示されている発注例は管理栄養士によるメニュー改善など別分野のものです(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」)。報酬の決め方は募集ごとに異なるため、1回あたりの時間・回数・準備にかかる時間の扱いを応募前に確認してください。

説明する相手の理解度に合わせて言い換える作業が続きます。自分が書けることと、書き方を説明できることは別なので、引き受ける前に一度書き出してみると見積もりやすくなります。

技術記事執筆案件

技術記事執筆案件は、技術に関する記事や社内向けのドキュメントを書くものです。コードを書く時間より、読む人に合わせて構成を組み立てる時間のほうが長くなります。

クラウドワークスの発注相場では、「記事・Webコンテンツ作成」が発注例「アフィリエイトブログの記事作成(専門知識の必要なし)」で1文字あたり1円〜・納期目安7日前後、「リライト・校正・編集」が発注例「制作している記事のチェック・校正と入稿」で1記事あたり3,000円〜・納期目安5日前後と示されています(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。発注例に「専門知識の必要なし」と明記されているとおり、この金額は技術記事を対象とした水準ではありません。技術記事の報酬は募集ごとに設定されるため、文字数の単位(原稿の文字数か、公開後の文字数か)と、図版・サンプルコードの作成が含まれるかを確認してください。

アユミさん
アユミさん
私が最初に受けたのは、すでにデザインが決まっているページのコーディングでした。担当する範囲がはっきりしていたので、かかる時間を見積もりやすかったんです。金額だけを見て決めなくてよかったなと思っています。

クラウドワークスが公表している発注相場(プログラミング関連)

クラウドワークスが公表している発注相場(発注する側が支払う契約金額の下限表示。受注者の手取り額ではありません)
依頼業務(カテゴリ)公表されている発注例報酬相場納期目安
サイト構築・ウェブ構築既存サイトへの単機能追加(PCのみ、スクラッチサイト)100,000円〜20日前後
Webプログラミング既存システムの機能追加(AWS、PHPの経験)500,000円〜15日前後
WordPress制作WordPressを使ったHPの作成(デザイン+コーディング)100,000円〜14日前後
HTML・CSSコーディングサイトコーディング(レスポンシブ無し)30,000円〜/ページ7日前後
テスト・検証・デバッグデバッグ(400項目・依頼者がテスト項目作成)20,000円〜10日前後
Excel VBA・マクロ開発既存Excelの処理自動化25,000円〜14日前後
スクレイピング・データ収集指定サイトのデータ自動収集50,000円〜14日前後
iPhone・iPadアプリ開発レストランアプリの修正、機能追加300,000円〜30日前後
システム管理・更新・保守不動産業務システムのバグフィックス3,000円〜/時間記載なし

出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認)。読み取るときは次の3点に注意してください。①これは発注する側が支払う契約金額の下限表示であり、受注者が受け取る額ではありません。ここからシステム利用料が差し引かれます。②同ページは「仕事カテゴリごとに発注相場は異なり、専門性が高い作業ほど報酬が高くなる傾向があります」と記載しており、個別の案件の金額を示したものではありません。③「〜」は下限を示す表記で、上限は示されていません。

担当する範囲がはっきりしている案件は、かかる時間を見積もりやすくなります。金額の大きさだけで選ぶより、募集要項に書かれている担当範囲と納期を先に読むほうが、あとで時間が足りなくなる事態を避けやすくなります。

案件の探し方3つと、差し引かれる手数料

案件の探し方は大きく3つに分かれます。違うのは金額そのものより、差し引かれる手数料と、契約や請求を誰が行うかです。順番に見ていきます。

方法1:クラウドソーシングに登録して応募する

クラウドソーシングは、クラウドワークスやランサーズなどのサービスです。クラウドワークスは発注相場のページで、「システム開発・運用」「ホームページ制作・WEBデザイン」のカテゴリについて依頼業務ごとの発注相場を掲載しており(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。応募条件は募集ごとに示されているため、実績の提示を求めていない募集があるかどうかは一覧で確認してください。

提示されている契約金額が、そのまま受け取り額になるわけではありません。クラウドワークスの料率(5〜20%)は税抜表示、ランサーズの16.5%は税込表示です。表示の基準が違うため、数字の大小だけを並べて比べることはできません。まず基準をそろえます。

クラウドワークスのシステム利用料は、報酬額のうち10万円以下の部分が20%、10万円超20万円以下の部分が10%、20万円超の部分が5%(タスク形式は一律20%)です。公式の計算例では、契約金額10,000円(税抜。消費税を含めて11,000円)の仕事でシステム利用料は2,420円(税込)、ワーカーの受け取り額は8,580円とされています。ランサーズのシステム手数料は契約金額(税込)の一律16.5%で、プロジェクト・コンペ・タスク・時間報酬・月額報酬・パッケージのすべてが対象です。同じ税込11,000円の契約にあてはめると、差し引かれるのは1,815円、受け取り額は9,185円になります(出典:クラウドワークス「ワーカーシステム利用料」ランサーズ「システム手数料の詳細を教えてください」・いずれも2026年7月29日確認)。

時間単価制を選ぶ場合は、料率の決まり方が変わります。クラウドワークスは「時間単価制の場合、1週を1つの単位としてシステム利用料の計算を行います。料率の基準となる金額の計算は1週毎に行われ、翌週への繰り越しなどは行いません」と記載しています。1週間の報酬が10万円以下であれば、その週には20%の料率が適用されるということです。このほか、報酬の振込時には別途振込手数料(楽天銀行100円・他行500円、いずれも税込)がかかります。

各サービスは、一定の基準を満たした受注者を認定する制度を設け、その基準を公表しています。何を見られているのかはその基準から確認できます(後述の「要素2」で公表値を引用します)。

方法2:エージェント型のサービスから紹介を受ける

募集に自分で応募するのではなく、サービス側の担当者が案件を紹介する形をとるサービスです。登録の条件・対応する分野・報酬の支払いサイクルは各サービスが自社サイトで示しています。

ここで注意が必要なのは、前項で引用したクラウドワークス・ランサーズの料率は、エージェント型のサービスには当てはまらないという点です。エージェント型では、手数料(マージン)の率を公開しているサービスと公開していないサービスがあります。登録の前に、提示される単価が手数料を差し引く前の金額なのか後の金額なのか、支払いのサイクル(締め日・支払日)はどうなっているのかを、そのサービスの公表資料で確認してください。応募・登録の条件についても、各サービスが自社サイトに記載しています。

方法3:発注元の企業と直接契約する

サービスを介さず、発注元の企業と直接契約する形です。仲介手数料は発生しませんが、契約金額そのものは交渉で決まるため、手数料がない分だけ受け取りが増えるとは限りません。

一方で、相手を探すところから、条件の交渉、契約書のやり取り、請求書の発行、入金の確認まで、すべて自分で行うことになります。支払いが遅れたときの対応も自分で進めることになるため、後述する「トラブルに備えて確認しておくこと」もあわせて確認してください。

注意
提示されている金額と、実際に受け取る金額は一致しません。仮の数字で確認します。クラウドワークスの時間単価制で1時間3,000円(税抜として計算)の案件を受けた場合、消費税を含めた3,300円に対して20%のシステム利用料(税込726円)が差し引かれ、1時間あたりの受け取りは2,574円になります(1週間の報酬が10万円以下の場合の料率)。応募を決める前に、手数料を引いたあとの金額と、調べ物や修正のやり取りを含めた実際の作業時間の両方を見積もってください。

受け取る金額を左右する3つの要素

受け取る金額は「契約金額」から「手数料」を引いたもので、契約金額は募集ごとに提示されます。そのため、自分で確認できるのは次の3つです。順に見ていきます。

要素1:応募できる募集の幅

募集要項には、使用する言語・フレームワーク・環境が書かれています。自分が実際に動くものを作れる範囲と、その記載が重なっているかどうかで、応募できる募集の数が決まります。

クラウドワークスの発注相場ページに掲載されている依頼業務名・発注例・発注事例の募集タイトルには、Laravel・Vue.js・Python・Flask・PHP(CodeIgniter)・JAVA Spring Boot・node.js[puppeteer]・FileMaker・Excel VBA・Unity といった名前が含まれています(いずれも同ページの原文表記どおり)(出典:クラウドワークス「クラウドワークス発注相場」(2026年7月29日確認))。ただしこれは同ページに掲載されている事例であり、どの技術の募集が多いか、どの技術の報酬が高いかを示すものではありません。

特定の言語やフレームワークどうしを比べて、どちらの案件数が多い・報酬が高いと示した公表資料は、当編集部が確認した範囲では見つけられませんでした。実際の募集状況は各サービスの検索で確認するのが確実です。

要素2:各サービスが公表している認定基準

クラウドワークスとランサーズは、一定の基準を満たした受注者を認定する制度を設けており、各サービスがその基準を公表しています。何が数値で見られているのかは、この基準から具体的に確認できます。

クラウドワークスの「プロクラウドワーカー」の認定基準は次の6つです(認定審査は3か月ごと)。

  • 納品完了率90%以上(過去1年間)
  • 総合評価4.8以上(過去累計)
  • 獲得報酬額 月間200位以内(過去1年間で1回以上)。ただし職種部門のうちエンジニア部門のみ「100位以内」が認定対象
  • スカウト数5回以上(過去1年間。クライアントから直接仕事相談された回数を指し、「見てみてリクエスト」と事務局アカウントからのスカウトは対象外)
  • コミュニケーション評価4.8以上(過去累計)
  • プロフィール&自己PR入力済(過去1年間)

ランサーズの「認定ランサー」の認定基準は次の6つです(過去1年間の実績をもとに毎月審査)。

  • 獲得報酬額:各依頼カテゴリ(小カテゴリ)の上位20%
  • クライアントからの評価:過去1年間の「満足」の割合が95%以上
  • 仕事完了率:90%以上(受注してから納品まで完了させた割合)
  • タスク承認率:90%以上(タスク方式での作業が過去1年内に1件以上ある場合に条件へ加わる)
  • ランサーズへのログイン:最終ログインが1か月以内
  • 各種認証やプロフィールの登録(プロフィール写真・表示名・300文字以上の自己紹介・本人確認・機密保持確認・電話確認・ランサーズチェック・スキル・資格)

出典:クラウドワークス「プロクラウドワーカー」ランサーズ「認定ランサーの基準を教えてください」・いずれも2026年7月29日確認。なお、納品完了率と総合評価には、いずれも「プロジェクト形式の固定報酬において。マイルストーン払いも納品と見なします。」という注記が付いています。クラウドワークスは「条件を一部満たしていない場合でも、特例としてプロ認定される場合があります」「条件を全て満たしている場合でも、事務局が適切でないと判断した場合は、プロ認定されません」と明記しています。基準を満たせば認定されると決まっているわけではありません。また、認定されたあとに単価や依頼件数がどう変わるかについては、これらのページに数値の記載はありません。

要素3:契約の形式

契約の形式は、各サービスが名前を付けて公表しています。クラウドワークスは「プロジェクト形式(固定報酬)」「プロジェクト形式(時間単価)」「コンペ形式」「タスク形式」、ランサーズは「プロジェクト」「コンペ」「タスク」「時間報酬」「月額報酬」「パッケージ」です(出典:クラウドワークス「ワーカーシステム利用料」ランサーズ「システム手数料の詳細を教えてください」・いずれも2026年7月29日確認)。

固定報酬制は、成果物に対して金額が決まります。作業が想定より長引けば1時間あたりの受け取りは下がり、短く終われば上がります。時間単価制は、作業した時間に対して金額が決まります。作業時間が長引いても契約金額は増えますが、そのぶん依頼側が上限時間を設定していることがあります。

手数料の計算方法も形式によって違います。クラウドワークスは、時間単価制について「1週を1つの単位としてシステム利用料の計算を行います。料率の基準となる金額の計算は1週毎に行われ、翌週への繰り越しなどは行いません」と記載しています。1週間の報酬が10万円以下なら20%が適用されるということです。一方、固定報酬制について公式ページが示しているのは、契約金額1件を単位とした計算例のみで、複数契約の合計額をどう扱うかの記載はありません。どちらが有利かは案件ごとの金額と作業時間によって変わります。

ナビ先生
ナビ先生
3つは順番に進めるものではなく、同時に見ていくものです。応募できる募集が増えても、認定基準の項目が埋まっていなければ選ばれる材料が足りない。逆に評価だけ高くても、受けられる案件の種類は増えません。どちらも募集ページと公表基準で確認できることなので、応募のたびに見比べてみてください。

募集条件・手数料・契約の形式の3つは、応募する前に公表資料で確認できます。金額の見通しを立てるより先に、この3つを読んでおくほうが、受けたあとの食い違いを減らせます。

副業に使える時間と、本業との両立

副業の作業時間は、本業の状況に左右されます。納期が決まっている案件を抱えた時期に本業が立て込むと、調整できる余地がほとんどなくなります。まず、勤務先の就業規則で副業の取り扱いがどう定められているかを確認したうえで、1週間に使える時間を先に決めてください。

1週間に使える時間から決める

先に決めるのは金額ではなく、1週間に何時間使えるかです。ここでも仮の数字で計算します。①クラウドワークスの発注相場の下限にあたる1時間3,000円(税抜として計算)の時間単価制の案件を、②週5時間・月20時間受けたとすると、③契約金額は60,000円(税抜。消費税を含めて66,000円)、④システム利用料は14,520円(税込)、⑤受け取りは51,480円、⑥1時間あたりは2,574円になります。時間を増やせば契約金額は比例して増えますが、1時間あたりの受け取りは変わりません。増やせるのは時間か単価のどちらかで、時間には上限があります。

本業で残業が増える時期があらかじめ分かっているなら、その期間は新しい案件に応募しない、という決め方もできます。納期を延ばす相談は受けてもらえるとは限らないので、引き受ける前に判断するほうが確実です。

応募する案件の選び方

金額の高い案件と低い案件で、求められる内容がどう違うかは募集要項に書かれています。金額の大小で応募先を決めるより、示されている納期と担当範囲を自分の作業時間に当てはめて、収まるかどうかで判断してください。収まらない案件は、金額にかかわらず受けないほうが結果的に負担が小さくなります。

契約の前に確認しておきたい項目は、法律で発注側に明示が義務づけられている事項と重なります。次の「トラブルに備えて確認しておくこと」で、その一覧を公表資料から引用します。あわせて、修正のやり取りにかかる時間を作業時間の見積もりに入れておいてください。

トラブルに備えて確認しておくこと

報酬の未払いや、聞いていない作業の追加といったトラブルに備えるうえで、発注側に何が義務づけられているかを知っておくと、確認すべき点がはっきりします。2024年11月1日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が施行されました(出典:公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組」(2026年7月29日確認))。

公正取引委員会のQ&Aは、「ある事業者から労働契約に基づき雇用されている労働者であっても、副業で他の事業者から業務委託契約に基づき業務を受託している場合は、他の事業者から受託している業務を行う範囲においては『特定受託事業者』に該当し得ます」と記載しています。会社に勤めながら業務委託で受けている副業も、この法律の対象になり得るということです。ただし、義務の主体は条文によって異なります。取引条件の明示(3条通知)を義務づけられているのは「業務委託事業者」=特定受託事業者に業務委託をする事業者で、従業員を使用していない個人の発注者も含まれます(同法第2条第5項・第3条第1項)。一方、報酬の支払期日についての義務を負うのは「特定業務委託事業者」=従業員を使用する個人、または2人以上の役員がいるか従業員を使用する法人です(同法第2条第6項・第4条第1項)。

同法では、業務委託をしたときに次の事項を書面または電磁的方法で明示することが義務づけられています(公正取引委員会Q&A・Q35より)。

  • 業務委託事業者及び特定受託事業者の名称
  • 業務委託をした日
  • 給付・役務の内容
  • 給付・役務提供の期日
  • 給付・役務提供の場所
  • 報酬の額及び支払期日
  • (検査をする場合は)検査完了日
  • (現金以外の方法で支払う場合)支払方法に関すること

報酬の支払期日については、同Q&Aが「支払期日を定める際の起算日は、給付を受領した日となります(受領した日を算入します。)」と記載しています。そのうえで同法第4条第1項は、支払期日を、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めなければならないと規定しています(出典:公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法Q&A」e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(2026年7月29日確認))。契約の前にこの明示がされているかを確認し、届いた内容は保存しておいてください。

トラブルが起きたときの相談先として、厚生労働省の委託事業として第二東京弁護士会が運営する「フリーランス・トラブル110番」があります。公式サイトによると、電話番号は0120-532-110、相談は無料で、匿名でも相談できるとされています。あいまいな契約・報酬の未払い・ハラスメントなどが相談の対象で、和解あっせん手続の費用も無料と記載されています。ただし「フリーランスご自身が発注側となった際に生じたトラブルのご相談は対象外です」と明記されている点には注意してください(出典:フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業・第二東京弁護士会運営)(2026年7月29日確認))。

よくある質問

Q
契約金額と、実際に受け取る金額はどれくらい違いますか?
A
契約金額からシステム利用料が差し引かれる分だけ違います。仮の数字で計算します。クラウドワークスの時間単価制で1時間3,000円(税抜として計算)の案件を週25時間受けたとすると、1週間の契約金額は75,000円(税抜。消費税を含めて82,500円)です。1週間の報酬が10万円以下なのでシステム利用料は20%で、税込18,150円が差し引かれ、1週間の受け取りは64,350円になります。4週間では257,400円、1時間あたりは2,574円です。契約金額の合計は300,000円(税抜)ですが、受け取りはそれより少なくなります。なお、週25時間を確保できるか、その金額の案件を受けられるかは募集の状況と応募条件によります。
Q
本業がエンジニアでない場合、副業でプログラミングは可能ですか?
A
本業がエンジニアでなくても、応募できるかどうかは募集ごとの条件で決まります。クラウドワークスの発注相場では、依頼業務ごとに「既存Excelの処理自動化」「指定サイトのデータ自動収集」のように作業の中身が示されているので、自分が実際に動くものを作れる範囲と重なる募集があるかを一覧で確認してください。なお、学習にどれくらいの期間が必要か、何か月学べば案件を受けられるようになるかは、分野によっても人によっても異なるため、期間で示すことはできません。
Q
税金や社会保険のことは、どこに相談すればいいですか?
A
税金や社会保険の扱いは、収入の種類・金額・お住まいの自治体・その年の制度によって変わります。制度は毎年改定されるため、当サイトでは金額・要件・手続きの解説を行っていません。ご自身のケースについては、お住まいの地域を管轄する税務署または税理士にご確認ください。社会保険の加入については勤務先の担当部署や年金事務所が窓口です。
Q
クラウドソーシング以外で案件を見つける方法はありますか?
A
クラウドソーシング以外の案件の探し方としては、本文で挙げた「エージェント型のサービスから紹介を受ける」「発注元の企業と直接契約する」の2つがあります。ただしエージェント型は手数料(マージン)の率を公開しているサービスと公開していないサービスがあり、直接契約では契約書のやり取りや請求・入金確認を自分で行うことになります。どちらの場合も、提示された金額が手数料を差し引く前のものか後のものかを確認してください。
Q
案件を断ったら、評価が下がりますか?
A
「評価」にあたる項目が何かは、各サービスが公表している認定基準から確認できます。クラウドワークスの「プロクラウドワーカー」の基準には「総合評価4.8以上(過去累計)」と「納品完了率90%以上(過去1年間)」が、ランサーズの「認定ランサー」の基準には「クライアントからの評価:過去1年間の『満足』の割合が95%以上」と「仕事完了率:90%以上」(受注してから納品まで完了させた割合)が含まれています。完了率にあたる項目は、いずれも受注したあとに完了させた割合を見るものです。一方、提案・応募の段階で辞退した場合の扱いについては、当編集部が確認した上記2つの認定基準のページに記載がありませんでした。個別の扱いは各サービスのヘルプで確認してください。
Q
副業で受けた仕事に、法律上の保護はありますか?
A
2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」という法律が関係します。公正取引委員会のQ&Aは、雇用されている労働者が副業で業務委託を受けている場合も「他の事業者から受託している業務を行う範囲においては『特定受託事業者』に該当し得ます」と記載しています。同法では、発注側が業務の内容・報酬の額と支払期日などを書面または電磁的方法で明示することが義務づけられており、報酬は給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に支払うこととされています(この支払期日の義務は、従業員を使用する発注者などが対象です)。トラブルの相談先としては、厚生労働省の委託事業として第二東京弁護士会が運営する「フリーランス・トラブル110番」(0120-532-110)があり、公式サイトによれば相談は無料で匿名でも可能です。

続けるかどうかを考えるときの材料

副業として続けるうちに、受ける案件の数や種類を増やすかどうかを考える場面が出てきます。判断の材料になる点を整理します。

独立を考える場合に確認すること

独立すると、収入が案件の有無に直接左右されるようになります。また、勤務先を通じて加入していた社会保険の扱いも変わります。金額・要件・手続きは制度改定や個別の事情で変わるため、当サイトでは解説していません。社会保険については年金事務所や勤務先の担当部署、税金については税務署または税理士に確認してください。

作る以外の関わり方

コードを書く以外に、学習中の人への技術指導や、記事・ドキュメントの作成といった関わり方もあります。ただし前述のとおり、これらの報酬について当編集部が確認した公表資料には、プログラミング分野に限定した相場の記載がありませんでした。募集ごとに条件を確認してください。

他の人に一部を任せる場合

作業の一部を他の人に頼む形をとると、自分が発注する側になります。その場合、フリーランス法上は「業務委託事業者」として、取引条件を明示する立場になります。また、フリーランス・トラブル110番は「フリーランスご自身が発注側となった際に生じたトラブルのご相談は対象外です」と明記しています(出典:フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業・第二東京弁護士会運営)(2026年7月29日確認))。受ける側と発注する側で、使える窓口も負う義務も変わる点に注意してください。

まとめ

本記事で公表資料から確認できたのは、次の3点です。①クラウドワークスは依頼業務ごとの発注相場を公開しており、それは発注する側が支払う契約金額の下限表示であって受注者の手取り額ではないこと。②クラウドワークスのシステム利用料(5〜20%)は税抜表示、ランサーズのシステム手数料(16.5%)は税込表示で、基準をそろえないと比較できないこと。③2024年11月1日施行のフリーランス法により、発注側には取引条件を明示する義務と、給付を受領した日から60日以内に報酬を支払う義務があること。

一方で、どれくらいの期間でいくら受け取れるようになるかを示した公表資料は、当編集部が確認した範囲では見つけられませんでした。本記事は特定の収入や成果を保証するものではありません。

応募の前に確認できるのは、募集要項に書かれた担当範囲・納期・契約の形式と、各サービスが公表している手数料・認定基準の5点です。金額の見通しを立てるより先に、この5点を読むところから始めてください。

あわせて読みたい

初心者向け副業5選|報酬の決まり方と始める前に確認すること
初心者向けの副業5つ(データ入力・Webライティング・ブログ・動画編集・プログラミング)を、報酬の決まり方・始める前に用意するもの・応募前に確認することで比較。クラウドワークスの発注相場と各社の手数料を出典つきで掲載しています。
在宅副業のおすすめ|種類別比較ガイド
在宅でできる副業10種類を、始めるのに必要なもの・報酬の決まり方・応募前に確認することで比較しました。クラウドワークスが公表する発注相場と、各サービスが公表する販売手数料も出典つきで掲載しています。
タイトルとURLをコピーしました