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50代の転職は年収が下がる?公的統計で見る実態と求人の探し方

転職
この記事は約21分で読めます。

50代での転職を検討しているものの、「年齢が高いから採用されないのではないか」「年収が大きく下がるのではないか」と不安を感じていませんか?

この記事では、公的統計で確認できる50代の転職の実態(何%の人が転職し、賃金がどう変わっているか)、職務経歴を書面で説明する方法、求人を探すチャネルの違い、正社員以外の働き方を順に説明します。数字はすべて、公表元の資料名・調査時点・確認日をあわせて示し、資料へのリンクを本文中に置いています。

50代転職の市場感|厳しさと現実的な機会

まず、公的統計で50代の転職が実際にどうなっているかを見ます。感覚ではなく数字から始めるのは、この年代の転職では「厳しい」「無理だ」という言葉が根拠なく流通しやすいためです。

厚生労働省「令和6年雇用動向調査」の年齢階級別転職入職率(1年間に転職して入職した人が、その年の初めの常用労働者数に占める割合)は、50〜54歳が男5.1%・女8.2%、55〜59歳が男5.4%・女7.6%でした。25〜29歳(男15.1%・女16.8%)と比べると、男性はおよそ3分の1、女性はおよそ半分の水準です。ただし60〜64歳では男が10.0%と再び上がります(女は7.7%で、50代の8.2%・7.6%とほぼ同じ水準です)。定年や契約期間の満了をきっかけに動く人が増えるためで、同調査では60〜64歳で前職を辞めた理由の54.6%(男)が「定年・契約期間の満了」でした。

シフト君
シフト君
そんなに難しいんですか。50代での転職って、諦めるしかないんじゃ…
ナビ先生
ナビ先生
まず数字を見ましょう。「厳しい」という言葉だけが先に立つと、条件を必要以上に下げてしまいます。何%の人が実際に転職しているか、賃金がどう変わっているかは、公表されている統計で確かめられます。

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況図4-1・表5(2026年8月4日確認)。この数字は「どれくらいの人が転職しているか」を示すもので、応募した人のうち何割が採用されるかを示すものではありません。また、この統計に表れるのは雇用された人の移動で、業務委託や個人事業として独立した人は含まれていません。

50代の転職入職率は、20代後半と比べて男性が約3分の1、女性が約半分。ただし「賃金が下がる」と決まっているわけではありません。50〜54歳の転職入職者では、前職より賃金が増えた人が39.0%、変わらない人が31.7%で、あわせて7割を占めます(令和6年雇用動向調査)。年代によって数字が変わるため、次の章で見ていきます。

50代が転職市場で評価される条件

募集要項を読むときに、自分の経歴と照らしやすい観点が3つあります。どれも「あるかないか」で判断できるものです。

1つめは「資格や届出が必要な仕事の経験」です。会計・法務・医療・設備の保安など、法令で有資格者の配置が求められる仕事は、募集要項に必要な資格が明記されています。自分が持っている資格と照らせば、応募できるかどうかがその場で分かります。2つめは「管理職としての実務」です。何人の部下を持ち、いくらの予算を扱い、どの決裁権限を持っていたかを、数字で書けるかどうかを確かめてください。3つめは「同じ業界かどうか」です。同業種であれば、前職で使っていた用語や商習慣がそのまま通じるため、職務経歴書の説明が短くて済みます。

アユミさん
アユミさん
3つとも「書けるかどうか」で判断できるんですね。管理職の経験って、何人みていたかまで書くものなんでしょうか。

50代の強みを言語化する方法

職務経歴書で書き分けが必要なのは、「何年やったか」ではなく「何を、どの規模で、どう進めたか」です。同じ「営業25年」でも、扱った商材・顧客の規模・担当エリア・使った手法によって、応募先が読み取れる内容はまったく変わります。

キャリアの棚卸しと強みの抽出

転職活動を開始する前に、現在までのキャリアを徹底的に整理する必要があります。単に「営業を25年やってきた」では不十分です。「営業経験25年の中で、どのような成果を上げたのか」「どんな顧客層・業界に対してその成果を出したのか」「その過程で獲得した汎用スキルは何か」を具体的に言語化する作業が必須です。

具体的には、以下の観点でキャリアを分析してください。

  • 数値実績: 売上目標達成率、顧客獲得数、チーム編成規模など
  • 困難な状況への対処: 市場縮小時の営業戦略、組織改革時の役割など
  • 人間関係構築: 顧客との長期信頼関係、社内での人脈、業界での知名度
  • スキルの転換可能性: 営業スキルが経営企画に活かせるなど

この4点を先に書き出しておくと、応募先ごとに職務経歴書を作り直す手間が減ります。募集要項に合わせて、どの項目を前に出すかを入れ替えるだけで済むためです。

書き方の良い例(記入例)
「法人向け機械部品の営業を25年。直近5年は自動車部品メーカー30社を担当し、既存顧客の平均単価を32%引き上げました。値上げ交渉では、原材料費の推移を示す資料を自分で作り、取引先の購買・技術の両部門に個別に説明する進め方をとりました。前職では新規開拓の成約率も社内平均の2倍で推移しています。貴社でも、既存顧客への単価交渉と資料づくりの部分から担当できると考えています。」
強みの言語化の悪い例
「営業職を25年やってきました。営業スキルがあります。貴社で活かしたいです。」

職務経歴書に書けること・書けないこと

職務経歴書に書きにくいものの、面接で聞かれることがあるのが、取引先とのつながりと業界の事情に関する知識です。ただし、前職の顧客情報を持ち出すことは、就業規則や秘密保持契約に触れる場合があります。話せるのは「どういう種類の相手と、どういう関係を築いてきたか」までで、具体的な社名や取引条件は含めないでください。

面接で伝えやすいのは、「業界のどの領域で、どういう相手と、何年やってきたか」という範囲の説明です。数字を出せるなら、担当した取引先の業種と社数、担当年数の3つで十分に伝わります。

たとえば「担当した取引先は法人500社、うち8割が10年以上の継続取引」のように、範囲と期間を数字で書きます(この数字は記入例です)。数字を書いたら、その根拠になる資料を自分の手元で確認できる状態にしておいてください。面接で確認されたときに答えられます。

面接で前職のやり方を説明するときは、「前職ではこうしていた」という事実の説明にとどめ、「そのやり方が正しい」という評価は加えないでください。応募先には応募先の事情があります。前職との違いに気づいたら、「なぜそうしているのか」を質問する形にすると、入社後に自分が困らずに済みます。

求人探しのチャネル別戦略

求人を探す経路は1つではありません。それぞれ扱う求人の種類が違うため、まず違いを整理します。どれを使うかは、希望する雇用形態と、住んでいる地域の求人の出方によって変わります。

チャネル1:シニア層専門の転職・人材紹介サービス

50代以上を対象にうたう人材紹介サービスがあります。扱う求人がほかのサービスとどう違うかは、登録前に各社の求人検索で確かめられます。同じ条件(職種・勤務地・雇用形態)で検索し、出てくる件数と企業名を比べてください。

シニア層向けをうたうサービスは、正社員以外の求人(契約社員・嘱託・業務委託・顧問)を扱う割合が高い傾向にあると各社が案内していますが、実際の構成比は公表されていない場合が多く、当編集部が確認した範囲では、チャネル別の求人構成を横断で比較できる資料は見当たりませんでした。登録する前に、そのサービスの求人検索で「50代可」「雇用形態」を指定し、自分の希望条件で何件出るかを実際に数えてください。件数が判断材料になります。

チャネル特徴向いている人注意点
総合型の転職エージェント取り扱う求人数が多い年齢条件の指定なしで幅広く探したいとき登録後、自分の条件で何件紹介されたかを数える
シニア層向けのサービス正社員以外の雇用形態も扱う雇用形態にこだわらず働き口を広げたいとき求人検索で希望条件を入れ、件数を確かめてから登録する
業界特化のエージェント特定業界の求人に絞られる同じ業界で探すときその業界の求人しか出ないため、併用が前提になる
企業の採用ページ・グループ会社の募集公開先が限られ、見つけにくい希望する企業が決まっているとき各社の採用ページを定期的に見る手間がかかる

チャネル2:業界特化型エージェントとの組み合わせ

同じ業界で探す場合、業界特化のエージェントは選択肢に入ります。業界の用語や職種の区分が担当者に通じるため、職務経歴の説明にかかる時間が短くて済みます。

ただし、担当者の力量はサービスごと・担当者ごとに違います。初回の面談で、自分が話した経歴をどこまで正確に要約し返してくれるかを見ると、判断材料になります。非公開求人があるかどうかは、面談時に「私の条件に合う非公開求人は現時点で何件ありますか」と聞けば確かめられます。

同じ業界であれば、前職の実績を説明するときに前提の説明を省けます。応募書類が短くなるのは、この点が理由です。

チャネル3:業務委託・嘱託・顧問職の活用

正社員以外の働き方には、業務委託・嘱託・顧問があります。いずれも契約の形が正社員と違うため、確かめる点も変わります。

業務委託は、契約で定めた範囲の仕事を引き受けて報酬を得る働き方です。雇用契約ではないため、報酬額・支払時期・契約期間・中途解約の条件は、すべて契約書に書かれた内容で決まります。仕事量を自分で決められる代わりに、次の契約が取れるかは自分で確かめる必要があります。顧問という名前の契約も、実態は業務委託であることが多く、打ち合わせの頻度や成果物の有無は契約ごとに違います。

契約前に確かめる点は3つです。①業務の範囲がどこまでか ②報酬がどう計算され、いつ支払われるか ③どちらからいつ解約できるか。この3つが書かれていない契約書は、後から条件が動きます。

ナビ先生
ナビ先生
業務委託は「雇われない」働き方です。労働基準法の労働時間や年次有給休暇の規定は適用されず、雇用保険の対象にもならないのが原則です。その代わり、いつ何をするかは自分で決められます。どちらが向いているかは、収入の安定と時間の裁量のどちらを優先するかで変わります。

チャネル4:ハローワークとシニア向け求人企業

ハローワークは、国が運営する無料の職業紹介機関です。求人を出す企業側も無料のため、採用にかける予算が小さい企業の求人が集まりやすい経路です。全国のハローワークの求人はインターネットサービスで検索でき、就業場所と職種、年齢に関する記載を絞り込んで、自分の地域に何件あるかをその場で確かめられます。

また、都道府県が設置する中高年向けの就職支援窓口もあります。名称と対象年齢は都道府県ごとに違うため、住んでいる自治体のサイトで確認してください。

年収・役職の現実とすり合わせ

50代の転職で避けて通れないのが賃金です。ここは推測が出回りやすいところなので、公的統計の実数から見ます。

公的統計で見る転職後の賃金変化

厚生労働省「令和6年雇用動向調査」は、転職入職者の賃金が前職と比べてどう変わったかを年齢階級別に集計しています。50〜54歳では、増加39.0%・変わらない31.7%・減少28.2%。増えた人が減った人を10.8ポイント上回っています。ところが55〜59歳では、増加27.4%・変わらない33.6%・減少36.6%と逆転し、減った人が9.2ポイント多くなります。60〜64歳では減少が60.9%(うち1割以上減った人が53.9%)で、定年をはさむ影響がはっきり出ます。

読み取れるのは2点です。1点目、50代前半では、賃金が下がらなかった人(増加+変わらない)が7割を占めます。「50代の転職は年収が下がるものだ」という前提は、この統計とは合いません。2点目、50代前半と後半で数字が入れ替わります。同じ「50代」でも、前半と後半では起きていることが違います。

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況表6(2026年8月4日確認)。この集計の対象は「転職入職者のうち前職が雇用者で、調査時に在籍している人」で、自営業からの転職者は含まれません。また、賃金が上がった人の中には、勤務時間が増えた人も含まれます。

転職入職者の賃金変動状況(令和6年雇用動向調査・年齢階級別)
  • 50〜54歳
    増加39.0% / 変わらない31.7% / 減少28.2%
    増えた人が減った人を10.8ポイント上回る。1割以上増えた人は26.3%、1割以上減った人は21.0%
  • 55〜59歳
    増加27.4% / 変わらない33.6% / 減少36.6%
    ここで前半と逆転し、減った人が9.2ポイント多くなる。1割以上減った人は30.7%
  • 60〜64歳
    増加13.6% / 変わらない24.2% / 減少60.9%
    定年をはさむため減少が大きい。1割以上減った人が53.9%を占める
  • 全年齢計
    増加40.5% / 変わらない28.4% / 減少29.4%
    全年齢では増えた人のほうが多い。50〜54歳はこの全体像に近く、55歳以降で離れていく

比べるときは、今年の年収だけでなく、定年までの残り年数と、定年後に働ける年数を並べてください。応募先に65歳以上の定年や継続雇用の制度があるかどうかで、働ける年数が変わります。制度の有無は、募集要項の定年に関する記載と、面接で就業規則の該当箇所を確認すれば分かります。年収が下がる場合でも、働ける年数が長ければ受け取り方が変わるためです。ただし、実際にいくらになるかは個々の条件によるため、この記事では計算しません。

「50代の転職は年収が下がるものだ」という前提で条件を下げる前に、統計を確認してください。50〜54歳の転職入職者では、賃金が増えた人39.0%・変わらない人31.7%で、下がらなかった人が7割です(令和6年雇用動向調査)。ただし55〜59歳では減った人のほうが多くなります。自分がどちらの年代か、そして応募先の賃金がどう決まるかを、募集要項と労働条件通知書で個別に確かめてください。

役職の現実的な見直し

役職については、募集要項に「ポジション」「役割等級」「想定ポジション」といった欄があります。ここに何と書かれているかで、入社時の位置づけが分かります。書かれていない場合は面接で聞いてください。前職と同じ役職名でも、決裁できる金額や部下の人数が違うことがあるため、名称ではなく権限の範囲で確認してください。

企業規模が変わると、同じ役職名でも中身が変わります。組織が小さいほど1人が受け持つ範囲は広くなり、担当外だった業務も回ってきます。募集要項に「兼務あり」「幅広く担当」と書かれている場合、その具体的な範囲を面接で確認してください。

報酬についても、企業規模と役職名からは判断できません。募集要項の想定年収の幅と、その幅の下限がどういう条件のときの金額かを、書面で確かめてください。

セカンドキャリアの選択肢

正社員での転職以外にも選択肢があります。ここでは5つを、それぞれ「何が変わるか」で並べます。「自分のライフプランに最適な道」は人によって違うため、選ぶ前に確かめる点を各項目に書きました。

選択肢1:異業種への正社員転職

これまでと違う業界に移る選択肢です。前職の経験がどこまで評価されるかは応募先によって変わるため、募集要項の「歓迎する経験」の欄に自分の経歴が当てはまるかを先に確かめてください。当てはまらない場合でも、「未経験可」と明記されている募集であれば応募できます。

異業種に移るときに確かめる点は3つです。①募集要項に「未経験可」と書かれているか ②入社後の教育期間があるか、その間に何を担当するか ③想定年収の幅の下限がいくらか。3つとも募集要項と面接で確認できます。

選択肢2:同業種・同職種への転職

同じ業界・同じ職種に移る選択肢です。前職で使っていた用語や商習慣がそのまま通じるため、職務経歴書と面接での説明が短く済みます。ただし賃金は応募先の賃金制度で決まるため、下がるか変わらないかは募集要項を見ないと分かりません。

同業種であっても、賃金は応募先の賃金制度で決まります。前職の年収がそのまま引き継がれるわけではありません。募集要項の想定年収の幅を見て、自分がその幅のどこに位置づけられるのかを面接で確認してください。

選択肢3:業務委託・フリーランス転職

働く時間を自分で決められる代わりに、収入は案件ごとに変わります。複数の相手と同時に契約することもできますが、契約書に他社との取引を制限する条項が入っていないかを先に確認してください。会社員のときに勤務先が半分を負担していた社会保険料は、自分で全額を負担する形に変わります。どの制度に加入することになるかは契約の形で決まるため、契約前に年金事務所と市区町村の窓口で確認してください。

始める前に確かめる点は2つです。①最初の依頼をどこから受けるあてがあるか(前職の取引先に声をかける場合は、就業規則と競業避止の取り決めを先に確認してください) ②収入がない期間の生活費をどこから出すか。②については、何か月分を用意するかを自分の固定費から逆算して決めてください。

選択肢4:嘱託職・顧問職への転職

嘱託・顧問という名前の契約は、実態が雇用契約の場合と業務委託の場合があります。どちらかによって、労働時間・休暇・社会保険の扱いが変わります。契約書の表題ではなく、勤務時間の指定があるか、業務の進め方に指示があるかで判断されます。

報酬額と勤務日数は契約ごとに違うため、この記事では目安を示しません。提示された契約書で、勤務日数・報酬額・契約期間・更新の条件の4点を確認してください。

アユミさん
アユミさん
契約書の表題じゃなくて中身で決まるんですね。「顧問」って書いてあっても、勤務時間の指定があれば雇用になることがあるということですか。

選択肢5:地方移住・セカンドライフの組み合わせ

地方に移って働く選択肢もあります。ただし「地方は物価が安いから収入が下がっても大丈夫」という前提は、統計で確かめておく必要があります。総務省統計局の消費者物価地域差指数(2024年・全国平均=100)を都道府県別に見ると、最も高い東京都が104.0、最も低い群馬県が96.2で、都道府県間の比率は1.08倍です。つまり、都道府県をまたいでも総合的な物価水準の差は1割ほどにとどまります。

ただし費目によって差は違います。同じ資料で、都道府県間の比率が最も大きいのは「教育」の1.59倍(大阪府÷富山県)、最も小さいのは「保健医療」と「交通・通信」の1.06倍です。東京都の指数を押し上げているのは主に住居費です(同資料の費目別寄与度)。住居費は下げられる余地がありますが、総合的な生活費が数分の1になるわけではありません。

出典:総務省統計局「消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2024年(令和6年)結果-」(2026年8月4日確認)。この指数の「総合」と「住居」は持家の帰属家賃を含みません。また、都道府県内でも市町村によって差があります。

移住支援と就業をあわせて案内している自治体もあります。募集職種と支援の内容は自治体ごとに違うため、移住を検討する地域の公式サイトで、就業支援の窓口があるかを確認してください。

50代の転職でよくある質問

ここまでの内容について、読者から届きやすい質問をまとめました。

Q
50代で転職を考えていますが、どのエージェントに登録すべきですか?
A
扱う求人が違うため、複数に登録すると比べられる求人が増えます。登録先を決める前に、各サービスの求人検索で自分の条件(職種・勤務地・雇用形態)を入れ、何件出るかを見てください。件数が少ないサービスに登録しても、紹介される求人は増えません。ハローワークインターネットサービスは登録なしで検索できるので、件数の比較の基準に使えます。
Q
年収が下がる覚悟は持っていますが、それでも転職活動を進めるべきですか?
A
下がると決めてかかる前に、統計を確認してください。50〜54歳の転職入職者では、前職より賃金が増えた人が39.0%、変わらない人が31.7%です(令和6年雇用動向調査)。55〜59歳では減った人のほうが多くなります。そのうえで、どこまでなら生活が成り立つかを自分の固定費から計算し、その金額を募集要項の想定年収の下限と比べてください。あわせて、現在の勤務先の定年と継続雇用の制度も就業規則で確認しておくと、両方を並べて判断できます。
Q
50代での転職面接では、どんなポイントが重視されますか?
A
面接で何が重視されるかは応募先によって違うため、すべての50代に共通する答えを当編集部が断定することはできません。準備できるのは、募集要項に書かれている業務内容それぞれについて、自分が前職で何をどこまでやったかを答えられる状態にしておくことです。前職と進め方が違う部分を聞かれたときは、否定も肯定もせず「前職ではこうしていた。御社ではどうなっているか」と確認する形にすると、話が具体的になります。
Q
業務委託や顧問職は、給与以外に何かデメリットがありますか?
A
報酬が案件ごとに変わることと、社会保険の加入区分が変わることの2点です。雇用契約ではなくなるため、健康保険・厚生年金・雇用保険の扱いが会社員のときと変わります。どの制度に入ることになるかは契約の形と個々の状況で決まるため、契約前に年金事務所と市区町村の窓口で確認してください。年金の見込額についても、日本年金機構の窓口で個別に確認できます。この記事では金額の試算は行いません。
Q
現在の企業で定年まで働く方が安全ではないでしょうか?
A
企業の経営状況によります。リストラのリスク、事業縮小の可能性、業界全体の衰退傾向を客観的に評価してください。定年まで働くことが安全とは限りません。50代での早期退職優遇制度の対象になる可能性、関連企業への出向リスクなど、現職を続けることにも、勤務先の経営状況という不確定な要素があります。転職も現職継続も、どちらもリスクを秘めているという認識が重要です。
Q
50代の転職活動期間は、どう見積もればいいですか?
A
当編集部が確認した範囲では、年代別の転職活動期間を集計した公的統計は見当たりませんでした。そのため「何か月」という目安はお示しできません。代わりに、期間を自分で決める方法を書きます。現職を続けながら探す場合は、期限を切らずに応募を続けられます。退職してから探す場合は、生活費が何か月分あるかを先に計算し、その範囲で期限を決めてください。期限が来たら条件を見直す、と決めておくと、条件を下げる判断を感情ではなく日付でできます。

まとめ:この記事で確認した3つの数字

この記事で確認した公的統計は3つです。

1つめ、50代の転職入職率は50〜54歳が男5.1%・女8.2%、55〜59歳が男5.4%・女7.6%で、25〜29歳と比べると男性は約3分の1、女性は約半分。ただし60〜64歳では男10.0%に上がります。2つめ、転職入職者の賃金は、50〜54歳では増加39.0%・変わらない31.7%で、下がらなかった人が7割。55〜59歳で逆転します(以上、令和6年雇用動向調査)。3つめ、都道府県間の物価水準の差は1.08倍で、「地方なら生活費が数分の1」は成り立ちません(2024年消費者物価地域差指数)。

次にやることは1つです。気になる募集を1件開いて、想定年収の幅・雇用形態・ポジション・定年と継続雇用の記載の4か所を読んでください。この記事で示した数字は全体の傾向で、あなたの条件は募集要項と労働条件通知書に書かれています。

現職を続けながら進める場合の注意点

在職中に活動する場合、面接の日程調整が最初の壁になります。就業時間外や休日に対応してくれるかは応募先によって違うため、応募の段階で確認しておくと調整が楽になります。

現職の業務については、引き継ぎができる状態を保っておいてください。退職の申し出から実際の退職日までの期間は、就業規則に定めがあります。内定後に日程を決めるとき、この定めが前提になります。就業規則の退職に関する条文を、いま一度確認しておいてください。なお、本記事は転職の結果を保証するものではありません。実際の条件は、応募先の企業から提示される書面で確認してください。

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